STORY 007

正社員を手放し専業主婦に近い暮らしをしたらみえた景色

大西公美

  • 栄養士
  • 転勤族
  • 自宅教室

正社員を手放し専業主婦に近い暮らしをしたらみえた景色

【基本情報】
大西公美(36歳)栃木県在住
5歳と2歳の 2人のお子さんと夫と4人暮らし

育休復帰後、会社の空気に耐えられなかった

こんにちは。
今日はよろしくお願いします。はじめに、現在の公美さんのライフスタイルを教えてください。

2019年12月に、夫の転勤で静岡県から栃木県に引っ越しました。
2歳の息子は未就園なので専業主婦に近い暮らしをしながら、時々自宅にいながらオンラインで料理教室をしたり、イベントに出店したりしています。
結婚後、愛知→静岡→栃木と3回引っ越しをしています。

出産を機に仕事を辞められたのですか?

いえ。独身時代に保育園の栄養士として働いて、正社員だったので育休を取得し、復職して時短勤務で働いていました。

育休が取得出来て、時短勤務も選べる職場を退職されたのはどうしてですか?

子どもに接して食事をつくるという仕事が楽しい!という気持ちは大きかったので、復帰はしました。
ですが、実際に復職してみたら厳しい現実を目の当たりにしました。

主に2つですね。
①時短勤務であることへの風当たりの強さ②子どもの体調不良で休むことを余儀なくされたときの同僚の反応など。

制度として、育休・時短勤務はあるものの現場の風土がそこに追いついてない職場でしたので、毎朝家を出る時間になると自然と涙が出てくるようになってしまって…

そうだったんですね。すごい耐え忍びましたね。

はい。ちょうどそんな時に主人の転勤がきまったので、それを機に退職することを決断できました。

転勤族の孤独

引っ越し先で、再就職する・転職活動をする。という選択肢はなかったのですか?

ちょうど、当時イヤイヤ期に入り始めた娘と誰一人知らない土地でいることがすごく孤独でストレスだったので、そんな風に思えなかったんです。
土地柄、同じくらいの年の子は保育園で通う子が多く、支援センターなど遊びに行っても年下ばかり。遊びに行っても、常に子を見張ってないといけなくて、遊びに行くのも辛かったです。
なので、家に引きこもって娘と遊ぶことが増えたのですが、市の保健師さんに外に出た方が・・・と言われ、余計に辛かったです。
すごく孤独だったので、話を聞いてくれる人や同じ悩みに共感してくれる人がすごく欲しかったです。

きっかけはママ講師さんの料理教室

土地勘のない場所で、知り合いゼロの地域での子育て、想像しただけでもすごい孤独感を感じます。
そこから、今のスタイルに行きつくきっかけは何だったのでしょうか?

きっかけ新しく習い事(料理教室)をはじめたことです。
そこでの出会いが新鮮で、元々料理が好きだったので徐々に元気を取り戻していきました。
パンやシフォンケーキを焼くなど、子どもと一緒に私の趣味を家で楽しむようになりました。それが今の仕事につながっています。

はじめは生徒さんとして習う側だったのですね。

はい。何度か通ううちに、会社員として勤める以外の選択肢をもつようになりました。
そして、家事・子育てや仕事以外の時間として、自分の時間を意識してつくりはじめたのもこの頃です。
講師の資格取得のために頑張ったり、ママ達でつくる地域のラジオ番組に挑戦したり、興味のあることにトライしていきました。

外に出かけることで、視野が広がって、自分にとっての選択肢を増やしていくことはとっても重要ですよね。
「情報を知らない」と「選ぶ」こともできないですもんね。
今の公美さんの「ママのわたし」と「大人のわたし」それぞれで大切にしていることを教えてください。

公美さんのママライフバランス

「ママのわたし」として大切にしていることは、子どもがいてもできるペースの仕事を楽しんでいることです。
収入は月額にすると3万円前後ですが、今はお金よりも、時間の使い方の価値を上にしています。
子どもが「食べたい!」というものを試作してみて、それがお仕事にもつながることを楽しんでいます。

「大人のわたし」として大切にしていることは、やりたいことにできるだけ挑戦して新しい経験をしていることです。「働き方は自分で選べる」と感じているので、休日は家族の時間を大切にしたうえで、仕事を調整しています。

素敵です。
会社員でいた時より収入の面では少なくなったとのことですが、「お金」よりも得たいものをハッキリ決めたことが公美さんのママライフバランスを安定させることができたポイントに繋がっているのだと感じました。
人生の満足度に総合点をつけるとすると、時短勤務時代と今とそれぞれ何点ですか?

会社員の時は20点、今は70点です。
今は100点!と言いたいところですが、来春に下の子が入園して自分の時間が増えたら、「大人のわたし」としてこうしていきたい!という楽しみな計画があるので、それを叶えたらその時に100点をつけたいと思います。

これから

ありがとうございます。
これからの公美さんのビジョンや夢はありますか?

自宅にいながらオンラインで自分ペースで簡単に美味しくできるレシピや講座を広めていきたい!
おうち教室を仕事として楽しむママをサポートしていきたいです!

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編集後記

職場復帰後、辛いから退職した。で終わることなく、次のステップに踏み出された公美さんの清々しい笑顔が印象的でした。

特に地方では、職場風土によって働きやすさに格差があると私も感じています。

心身ともに悲鳴を感じるサインがある場合は、前向きな退職・充電期間・準備期間を自分の意志で取捨選択していくことも大切だな。と気づかせてくれるインタビューでした。

インタビュイー=大西公美 https://www.instagram.com/hammi_cooking/
取材・文=上条厚子 https://www.instagram.com/atsukooo_official/

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