「早くして」と言った3秒後に、もっと大きな声が出ている。寝顔を見て「また怒っちゃった」と、自分を責める夜。……ありますよね。
こんにちは。NPO法人ママライフバランス代表の上条厚子(あっちゃん)です。先にお伝えしておきたいんですけど、私も全部やってました。ガミガミも、ため息も、「何度言ったらわかるの」も。
この記事では、イライラした時の対処法を「その場で30秒」「怒鳴る前」「怒ったあと」の3段階に分けてお伝えします。でもその前に、イライラが抑えられない本当の原因から。ここを知るだけで、対処法の効き方が変わります。
イライラが抑えられない本当の原因
原因1:心のコップが空っぽになっている
人は、心と体が満たされていないと、どうしてもイライラしやすくなるようにできています。食べる、眠る、ひと息つく。この土台が削られていると、ふだんなら流せることに腹が立つ。だからイライラは、あなたを責める声ではなく、「コップが空だよ」というサインなんですね。
原因2:子どもの脳は、まだ「言葉で分かる」段階にない
講座でお話ししていることですが、子どもの脳は12歳くらいまで育っている途中です。言葉で言われて行動を変えられるようになるのは、小学校高学年ごろ。だから小さい子に「何度言ったらわかるの」は、通じなくて当然なんです。これを知るだけで、「わざとやっている」という見方が消えて、イライラの半分くらいは減ります。
原因3:自分が本音を我慢している
私は、きょうだい喧嘩を見るのがものすごくイライラした時期がありました。6歳と1歳、7歳と2歳の喧嘩に。でも心理学を学んで気づいたんです。イライラの原因は喧嘩そのものではなく、本音を抑え込んでいる自分の側にあった、と。「こうしていないと愛されない」と自分を抑圧している人は、それを軽々と抑圧していない人(子ども)を見て、イライラするんですね。
【段階1】その場で30秒:イライラが来た瞬間に
- 「いま、コップが空だな」と心の中で言う。イライラに名前をつけると、感情と自分の間に1枚すき間ができます
- その場を1歩だけ離れる。キッチンへ、ベランダへ。子どもの安全が確保できるなら、トイレに入ってもいい
- 「事実」と「感情」を分ける。事実は「コップの水をこぼした」。感情は「また私の仕事が増えた」。分けるだけで、怒りの大きさが半分になります
講座を受けた方から「事実と感情に分けて考えられて、気持ちの切り替えが早くなった。これは本当に大きい」という声をもらっています。30秒で完璧にできなくて大丈夫。「分けようとした」だけで十分です。
【段階2】怒鳴る前:言葉が出る前に、1つだけ変える
つい出てしまう言葉を、全部直す必要はありません。1つだけ、言い換えを持っておいてください。
| つい出る言葉 | 1つだけ言い換え |
|---|---|
| 早くして | 「この曲が終わったら出発ね」 |
| 何度言ったらわかるの | 「まだ難しいよね」と、年齢を思い出す |
| ダメ | 「熱いから触らないでね」と、行動を具体的に |
| 片付けたらアイス食べていいよ | 「片付けたら、アイス食べようね」 |
最後のひとつ、違いが分かりにくいかもしれません。「〜していいよ」は条件つきの許可で、「〜しようね」は一緒にやる約束です。小さな違いですが、子どもが受け取る「ありのままで愛されている」という感覚が変わります。
【段階3】怒ったあと:自己嫌悪から、戻ってくる
ここが一番大事です。怒ってしまったあと、どうするか。
「気づけてよかった」からスタートする
NGワードを知ると、しばらく罪悪感が増える時期があります。でもそれは、気づける自分に変わった証拠。使ってしまった日は「気づけてよかった」からスタートでいいんです。私は受講生さんに、いつもそう伝えています。
子どもに、短く謝る
「さっきは大きい声出してごめんね。ママ、疲れてたの」。言い訳は要りません。ママも間違えちゃうことがある。それを見せること自体が、子どもにとっての学びになります。
コップを満たす。ひとつやるなら、ひとつ手放す
怒ったあとに必要なのは反省ではなく、補給です。「今日は洗濯物をたたまない。その代わり10分座って、あたたかいお茶を飲む」。頑張りを増やさないでください。優先度を上げるには、何かの優先度を下げるしかありません。
イライラしにくい自分をつくる、毎日の習慣
トイレで声に出す。「私は毎日、安心して穏やかな気持ちで過ごせています」。トイレに入ったら10回、声に出して言います。自分の耳から入った言葉は脳に届きます。穏やかになれない日があっても、言い続けることに意味があります。
ありがとうを1日10個書く。脳には「見たいものしか見ない」フィルターがあります。ありがとうを探す回数が増えると、フィルターが少しずつ書き換わる。目安は3か月。例えば「電車が時間どおりに来た」「子どもが笑った」とかで『ありがとう』と書いてみましょう(書くのが難しい場合は言葉に出して言ってみましょう)。
よくある質問
- 子育てでイライラしてしまう原因は何ですか?
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大きく3つです。心と体の土台(睡眠・食事・ひと息)が削られて心のコップが空になっていること、子どもの脳がまだ言葉で行動を変えられる段階にないこと、そしてママ自身が本音を我慢していること。自分の性格や母親として愛情が足りないという問題ではありません。
- イライラした時、その場でできる対処法は?
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「いま、コップが空だな」と心の中で名前をつける、その場を1歩離れる、「事実」と「感情」を分ける、の3つです。30秒で完璧にできなくても、分けようとしただけで怒りの大きさは変わります。
- 子どもに怒鳴ってしまったあと、どうすればいいですか?
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「気づけてよかった」からスタートし、子どもに短く謝り、そして自分の心のコップを満たしてください。反省より補給が先です。ママが間違えても戻ってくる姿を見せること自体が、子どもの学びになります。
- きょうだい喧嘩を見るとイライラします。どうすれば?
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命の危険がなければ、基本は見守りで大丈夫です。喧嘩を見てイライラするのは、喧嘩そのものより、ママ自身が本音を我慢している側にあることが多いので、自分の我慢を少しゆるめることが遠回りに見えて近道です。
- 子育てで一番しんどい時期はいつですか?
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人によって違いますが、睡眠が細切れになる0歳代と、言葉が通じそうで通じないイヤイヤ期に「しんどい」と感じる方が多いです。どちらも子どもの脳の発達段階として自然なことで、ママの関わり方が悪いからではありません。
まとめ:イライラは、コップを満たしてというサイン
その場で30秒、怒鳴る前の言い換え1つ、怒ったあとの補給。全部をやらなくていいので、今日はどれか1つを。イライラは、あなたが優しくないからでも、母親に向いていないからでもありません。心のコップを満たして、というサインです。
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怒ったあとに「私はダメな母親だ」と思ってしまう方は、ママの自己肯定感チェックも読んでみてください。

